ここ数年の間に糖尿病からアルツハイマー病に移行するという調査研究成果が幾つか報告されています。


カロリンスカ研究所(スウェーデン・ストックホルム)のSusanne Akterin氏らの研究グループがマウスを使った実験で、高脂肪で糖分の含有量が多いエサを9ヶ月間与え、脳を調べた結果、アルツハイマー病患者と同じような化学変化が起こっているのを確認した。

タウ蛋白質のリン酸化がみられ、アルツハイマー病患者にみられる神経原線維変化を形成していた。また、エサに含まれるコレステロールが記憶保存に関与するArcタンパク質(アポトーシス抑制因子)の減少をもたらすことを明らかにした。

Susanne Akterin氏は、以前より食事からの抗酸化物質の摂取量が少ない場合、アルツハイマー病になる可能性が高くなると示唆しているように「今回の結果からも、脂肪やコレステロールの大量摂取がアポ4Eなどの遺伝因子によって、アルツハイマー病発症因子となる脳内物質に影響を及ぼすようだ」と考察しています。

糖尿病になる要因として、アポ4E遺伝子などによる遺伝的な要素だけでなく、日々過度に脂質や糖質を摂取した栄養バランスの偏りがインスリンの供給を不順にしてしまい、正常な血液循環を妨げてしまいます。そのため毛細血管の集中している腎臓や目の網膜、脳などに支障をきたしてしまいます。

注射や経鼻スプレーでインスリンを投与された人はすぐに,物語の回想や記憶テストの成績が上がる。また,学習によってもインスリン値が上がる。空間記憶テストの課題を学習したラットは,あまり動かなかったラットと比べて,脳のインスリン値が高まった。


こうした観察をきっかけに,ブラウン大学の神経病理学者デラモンテ(Suzanne de la Monte)らは,重度の記憶喪失を特徴とするアルツハイマー病にインスリンが関係しているのではないかと考えた。

健康な人とアルツハイマー病患者について,死後解剖を行って脳内のインスリン濃度とインスリン受容体数を比べたところ,学習と記憶に関連する脳領域のインスリン濃度平均値は健康な脳のほうが4倍も高く,受容体の数も10倍多かった。

デラモンテは「脳にも通常の糖尿病とまったく同じ問題が生じることがわかった」といい,アルツハイマー病を「3型糖尿病」と表現する。脳のインスリンは血液脳関門を介して身体の他の部分にあるインスリンと関連しているので,糖尿病患者はアルツハイマー病にもなりやすい。と日経サイエンスにて報じられています。

また、アメリカ、ノースウエスタン大学(イリノイ州)の認知神経学アルツハイマー病センターのWilliam L.Klein氏は「インスリン感受性は加齢とともに低下し、このことがアルツハイマー病の新たな危険因子となる。インスリンシグナル伝達を高めればニューロンの損傷を保護できることが示された。」と報じています。

このことは、アルツハイマー病を糖尿病の一種とする考え方に最新のエビデンスとして、米国科学アデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)」オンライン版に2月2日掲載されています。

日本においては、九州大の清原裕教授(環境医学)のグループが、神経疾患などを研究する米国立衛生研究所の研究機関の基準で認知症ではないと判断した65歳以上の福岡県久山町の住民826人を15年間、追跡調査して分析を行った。

この間に188人が認知症を発症し、うち93人がアルツハイマー病であった。同じ826人について、ブドウ糖の代謝能力である耐糖能の異常も調査。生活習慣が主な原因とされる2型糖尿病の病歴がある人らをアルツハイマー病調査と合わせて分析した。

その結果、糖尿病及び予備群の人は、耐糖能異常のない人に比べて4.6倍、アルツハイマー病になる危険性が高かった。脳にたまってアルツハイマー病を引き起こすとされる物質は、インスリン分解酵素によって分解される。糖尿病及び予備群の人はインスリンが少ない場合が多く、分解酵素も減るので、アルツハイマー病の危険性が高まるという結果になった。

出典:「Asahi.com2007年09月02日」

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