クルクミンやカテキンなどのポリフェノールが、大腸がんの危険因子である2次胆汁酸を減少させることを発見
腸内における少ないポリフェノールや食物繊維は、高脂肪食によるリトコール酸やデオキシコール酸などの2次胆汁酸の増加をきたし、DNA傷害や酸化ストレス、細胞毒性などによって大腸がんなどの大腸疾病を引き起こしてしまいます。
また大腸壁から吸収された汚れた二次胆汁酸は肝臓を経て全身にばら蒔かれ、肝臓ガンや乳癌をはじめとした様々な病気の原因になってしまいます。
クルクミンやエビガロカテキンガレードなどのポリフェノールには、腸に排出された胆汁酸をリフレッシュする働きや腸内細菌を活性化させて免疫力を高めてくれると期待されています。
中でもターメリック(熱帯ウコン)のクルクミノイドなどの活性成分が、腸肝循環にて汚れた2次胆汁酸をリフレッシュし、大腸ガン・肝臓ガン・乳ガンをはじめとする病の予防効果が東京理科大学などの研究報告によって示唆されされています。
「クルクミンによる腸内細菌プロファイルの変化を介する肝がん抑制効果の検討」
vol23urakamif-08ohtani.pdf (urakamizaidan.or.jp)
大谷直子(東京理科大学理工学部応用生物科学科)
大腸がんの危険因子である2次胆汁酸を減少させるポリフェノールを発見
近年、ライフスタイル・食生活の変化に伴って、高脂肪食を日常的に摂取することが増え、がんや高脂血症などの成人病やそれらの予備軍となるメタボリック症候群などが社会問題となっている。
日本人の大腸がんの発症率は世界的にも高く、新たな対策を講じることが求められている。
こうした中で、ポリフェノール類のエラグ酸をラットに摂取させ、脂質代謝への影響を調べる過程で糞中胆汁酸(コレステロールの代謝分解産物)の排泄を調べる機会があり、糞中の2次胆汁酸であるリトコール酸が著しく減少していることを偶然発見した。
これが突破口となり、本格的な研究を開始した。
◆ 研究概要
SD系雄ラットを用い、高脂肪食に各種ポリフェノール(カフェ酸、カテキン、クルクミン、エラグ酸)を0.5%添加したものを3週間摂取させ、最後の3日間糞を採取し、糞中胆汁酸組成の分析を行った。
その結果、糞中の2次胆汁酸(リトコール酸、及びデオキシコール酸)について、ポリフェノール摂取群で統計的に有意な減少が見られた。 一方、1次胆汁酸のコール酸については、ポリフェノール摂取群で増加傾向が見られた。
出典:
「加藤範久教授らが大腸がんの危険因子である2次胆汁酸を減少させるポリフェノールを発見」
広島大学生物圏科学研究所
教授 加藤 範久
(下図を参照)
PubMed(米国国立医学図書館 国立衛生研究所)
2016年7月;81(7):H1800-6.
ウコンの胆汁分泌促進作用とその有効成分
所属
- 1南京理工大学薬科大学、江蘇省、南京、211816、中国。
- 2著者の Y. Wang と Zhu は、210009 中国、南京の東南大学医学部に所属しています。
- 3大学薬学部 アイオワ州、アイオワシティ、アイオワ州、52242、米国
概要
クルクマロンガ L. の根茎であるターメリックは、スパイスと漢方薬の両方として広く使用されています。
消化器病学におけるウコンの伝統的な使用は、主にその胆汁分泌促進作用に基づいています。
この研究の目的は、胆管瘻ラットモデルにおける急性十二指腸投与後の胆汁流量(BF)および総胆汁酸(TBA)排泄に対するターメリックの効果を測定することです。
ターメリック煎じ薬による処理後に、BF(胆汁流量)と TBA(総胆汁酸)の両方における有意な用量依存性の増強が検出され、胆汁分泌促進活性が胆汁酸依存性の分泌であることが示唆されました。
化合物の活性基を特定するために、水抽出物 (AE)、酢酸エチル抽出物 (EtOAc)、および石油エーテル抽出物 (PE) を調査しました。高い効果を示したEtOAcおよびPE抽出物を精製して有効成分を特定しました。
3つのクルクミノイド(クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン)と 2 つのセスキテルペン(ビサクロン B および ar-ターメロン)が単離されました。
ビサクロン B が最も強力な胆汁分泌促進成分であり、次に ar-ターメロン、ビスデメトキシクルクミン デメトキシクルクミン、そしてクルクミンが続くことが判明しました。
自動翻訳のまま掲載
熱帯ウコン「赤陽」
農林水産省、品種登録番号 第21486号