「患者600万人！恐怖の脳骨心臓ボロボロ病」
これは、2012年04月11日に放送されたNHK「ためしてガッテン」という番組で、COPD (慢性閉塞性肺疾患) が恐ろしい全身病であることを表現したショッキングなタイトルです。
ガッテン史上最も恐ろしい「悪魔の物質」によって、骨から心臓まで全身がボロボロになって死んでいく･･･
そんな恐ろしい病気の国内患者数はなんと推定600万人！
この悪魔の物質とは、ウイルスでもなければ、毒でもありません。
なんと、ある生活習慣によって「体内」で大量生産され、血液に乗って全身に広がり、硬い骨を破壊します。
さらに筋肉を弱体化させ、糖尿病を呼び起こし、脳梗塞や心筋梗塞までも発症させるというのです。
しかも、患者が急増しているにも関わらず、その「95％は、気づいていない」とか！
95％が気づいていない！全身ボロボロ病
あなたは大丈夫？
早期発見のために、私たちができる対策とは？
度重なる心筋梗塞、一日に3度も襲われる脳梗塞寸前の発作。
糖尿病に骨粗しょう症・・・。
今回取材にご協力いただいた、ある病気の患者さんたちの症状です。
ご本人たちも、とても一つの病気と関係があるとは思えなかったそうです。
一体どんな病気なのか？
専門家に話を聞いたところ、
元凶となっている体の一部を探したところなんと答えは「肺」。
喫煙などによって肺に異物が入り込み、活性化したマクロファージから【TNF-α】（悪魔の物質）が全身に広がる・・・
その病気とは「COPD（慢性閉塞性肺疾患）」です。
以前は、「肺気腫」と「慢性気管支炎」と呼ばれていたものを合わせた呼び名です。
この病気になると、空気の通り道が狭くなるばかりか、炎症によって肺の組織が壊れ、スカスカになってしまいます。
以上がNHK「ためしてガッテン」2012年04月11日放送された「患者600万人！恐怖の脳ホネ心臓ボロボロ病」テキストの一部です。
NHKガッテン流のとても深刻でオーバーな内容ですが、COPDという疾患の怖さを理解していただくよう主な内容をそのまま転記させていただきました。
この放映により、COPDという病気が単に肺疾患にとどまらず全身病で、且つ深刻な病気であることが少しは世間に知られることになればよいのですが？
慢性閉塞性肺疾患（COPD）とは、
名が示すように肺の中で慢性的に炎症が起こっており、これによって肺組織が壊れていく病気です。
この肺における慢性的な炎症がＣＲＰや血中IL-6、IL-β、TNF-α などの炎症性伝達物質を血流に乗せて全身にばらまかれることで、身体全体に炎症が飛び火してしまことから、COPDが肺にとどまらず、全身の炎症性疾患として捉えられるようになってきました。
日本呼吸器学会が発行したCOPDの診断・治療ガイドラインにも、糖尿病、骨粗鬆症、心血管疾患など肺以外の疾患がCOPDの「併存症」として明記されています。
COPDにおける炎症が、どの程度進行しているのかを判断するのには体内で炎症や組織の破壊が起きているときに血中に増加するタンパク質、CRP（C反応蛋白）によって判断が可能のようです。
炎症が強いほど血清CRP値は高くなるので、血液検査にて、どの程度の炎症が進行しているのかの判断指標になり、自らのCOPD炎症度を、このCRP値によって推察できます。
COPDにおける炎症は、その重傷度にかかわらず肺抹消の炎症により、COPD自体に影響するだけでなく、炎症性伝達物質の増加によって全身性の炎症を引き起こしてしまうため、如何に肺の炎症を抑制するかが重要な対策になります。
また、主にタバコ煙の酸化ストレスによる副腎皮質ホルモンの機能不全を有効にすることも重要です。
今回の番組を見られたCOPDの方々にとって、大変ショッキングなことだったと推察されますが、炎症を止めないと全身にインターロイキン18（IL-18）や腫瘍壊死因子-アルファー（TNF-α）といった炎症性伝達物質が全身を巡り、様々な病気を発症させてしまうということの認識につながったようです。
また、慢性的な炎症を抑制する必要性が理解されるキッカケになったことは、この病気との向き合い方に重要な方向性が示され、今後COPDにどう対処していったらよいのか、あるいは、どう対処しなければならないのかを知る機会になったようです。
「悪魔の物質」呼ばわりされたTNF-αとは
TNF-α（腫瘍壊死因子α）は、サイトカインの一種で、主にマクロファージにより産生されます。
この物質は、固形がんに対して出血性の壊死を生じさせるサイトカインとして発見されました。
TNF-αは、血管内皮細胞の発現を誘発し、免疫細胞浸潤を刺激する白血球接着分子を増強します。
これにより、局所的および血中循環の両方で炎症反応を含む重要な役割を果たします。
しかし、TNF-αが過剰に発現すると、関節リウマチや乾癬などの疾患の発症を招くことがあります。
BingAIより
TNF-αとは，サイトカインという物質の一つで腫瘍壊死因子と呼ばれ，不要な細胞を排除するほか、感染防御・抗腫瘍作用を持つ物質である。
正常値内のTNFであれば「がん細胞を破壊する」「傷を治癒する」「体内に入ったウイルス・バクテリアを排除する」などの有益な働きを持つ。
がん（悪性腫瘍）に対して出血性の壊死を誘発させる因子として発見されたが、今では炎症を引き起こす要素を持つサイトカインともされている。
体内バランスが取れないほどにTNFが増殖すると「炎症を引き起こす」「動脈硬化・糖尿病のリスクを高める」などの悪影響を及ぼす。
現在は、この物質が関節リウマチでは大量に産生され，関節の痛みや腫れ，関節破壊をおこすだけでなく，さらに他の炎症をおこす物質を作らせて関節リウマチを悪化させるはたらきもあります。
他のサイトより
クルクミン：TNFや他の炎症誘発性サイトカインをブロックする可能性を有す！
PubMed（米国国立医学図書館 国立衛生研究所）
2013 8 月;169(8):1672-92。
所属
- 1米国テキサス州ヒューストンのテキサス大学 MD アンダーソンがんセンター、実験治療学部、サイトカイン研究所。aggarwal@mdanderson.org
TNF は炎症および炎症関連疾患の主要なメディエーターであるため、米国食品医薬品局 (FDA) は、変形性関節症、炎症性腸疾患、乾癬、および炎症性腸疾患の治療にサイトカインの遮断薬である TNF-α の使用を承認しました。
これらの薬剤には、キメラ TNF 抗体 (インフリキマブ)、ヒト化 TNF-α 抗体 (ヒュミラ)、可溶性 TNF 受容体 II (エンブレル) が含まれており、年間の累計市場価値は 200 億ドルを超えています。
これらの薬は高価であるだけでなく（1人当たり年間1万5000～2万ドル）、注射する必要があり、FDAからブラックラベルの警告を受けるほどの副作用がある。
現在のレポートでは、非常に安価なターメリック (Curcumalonga) の成分であるクルクミン (ジフェルロイルメタン) の代替品について説明します。
経口的に生物学的に利用可能であり、ヒトにおいては安全性が高いにもかかわらず、インビトロモデル、動物モデル、およびヒトにおいて TNF-α の作用と生成をブロックすることができます。
さらに、現在TNF阻害剤が使用されているすべての疾患に対するクルクミンの活性に関する証拠を提供します。
クルクミンが産生を阻害するメカニズムと、このサイトカインによって活性化される細胞シグナル伝達経路についても説明します。
医療費と安全性が今日の大きな問題となっている中、この黄金のスパイスが解決策となる可能性を有しています。
COPDに関するコンテンツ
熱帯ウコン「赤陽」
農林水産省、品種登録番号 第21486号